FC2ブログ
  • ⇒クリックすると本文の文字サイズを変更できます
  • 特大

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

▲このページのトップへ戻る

犬が死んだ

  • 2011年07月16日(土) 22:55:03
  • 子育て

犬が死んだ。


信州の実家で飼っている犬。
僕が中学生の頃から飼っている犬。

6月27日の夜、母から電話がかかってくる。
危険な状態だと伝えられる。

翌日、実家に帰ろうか迷う。
東京にいることにする。

夕方、母から電話がくる。



犬は死んでしまった。



それはつまり、僕が演劇のことや、お昼ご飯のことや、かわいい女の子のことを考えている時に、犬は死んだということだ。

中央線に乗って立川駅へ。
あずさを待つ。
1時間ほど、待つ。

1時間、ただ、ベンチに座る。

あずさに乗り、23時過ぎに岡谷駅に着く。
母の兄が迎えに来る。
車の中で演劇の話をする。
セブンイレブンに寄り、弁当とコカ・コーラを買う。

家に着く。
家には母の弟もいて、僕は二人に礼を言う。
(僕には父親も兄弟もいない。)
母は、かつて犬だったものに向かって、何事かを話している。

僕はその犬だったものを見ない。
見ずに、母とだけ話をする。
伯父と叔父は、また演劇の話をして、
「がんばれよ。」
と言い、帰る。

僕はまだ犬だったものを見ない。

母は犬だったものに話しかけながら、
「裕介、冷めないうちにお弁当食べなさい。」
と、言う。

何度も言われるので、弁当を食べる。
半分ほどで吐きそうになる。
コカ・コーラで流し込む。

その夜はリビングで寝ることにする。
母と布団を並べ、その間に犬だったものを置く。

母がボロボロと泣く。
僕は何も言わない。

しばらくして、母の寝息が聞こえる。

僕の携帯が震える。
大切な人がメールをくれる。
メールを返信する。
東京に戻ったらいっぱい話そうと、約束をする。

携帯を閉じて、母を起こす。
「抱っこしてもいい?」
と聞く。
母は、
「いいよ。」
と言う。

僕は、初めて、犬だったものを見る。
犬だったものは、犬だった。
抱っこする。

カチカチ。
すっげえ、カッチカチ。

カッチカチやぞ!!

僕は声を出して泣く。



翌朝。
吐き気と闘いながら、サンドウィッチを流し込む。

母の車でペットの火葬場へ。
犬は僕が抱いていく。

快晴。
暑い。

予約の時間より早く着いたので、御柱の木落とし坂を見に行く。

10時になり、火葬場へ。
担当のお姉さんが太っている。
犬に花を供えて、炉の中へ。
母が泣く。

2時間ほど、コンビニの駐車場で時間をつぶす。
暑い。

11時45分に火葬場へ戻る。
犬は骨になっている。
骨を拾いながら、母が泣く。
なぜか太ったお姉さんも泣く。

骨壺を家に持ち帰り、線香をあげる。

昼食をまだ食べていなかったので、母と回転寿司に行く。
僕は18皿も食べる。

おなかが減った。
おいしい。
食べる。

僕の好きな食べ物はお寿司。
毎日寿司でも構わない。



それから数日間実家にいて、7月3日、東京へ戻る。

夜、大切な人と電話をする。
犬の話は、しない。
演劇の話と、花火の話をする。

僕は夜勤バイトに向かいながら、演劇のことと花火のことを考える。


夜なのに、ちょっと歩くと汗をかく。
自分の異常な汗のかき方に、なぜかセックスのことを考える。

汗。
汗、汗、汗。

涙。
涙、涙。

唾液。
精液。
ぬれたあそことあそこ。

キスキスキスキス。

勃起。
生きてんだな。





僕は歩きながら、
「もう夏だーーーーーぁ。」
と思う。

スポンサーサイト

▲このページのトップへ戻る

コメント


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。