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ただそれだけのこと

  • 2009年08月01日(土) 23:29:00
  • 子育て
7月が終わった。

7月前半。
僕は劇に出ていた。
そういえば、去年もまったく同じ時期に、同じ劇場で、劇に出ていた。

まあ、ただそれだけのこと。


7月25日。
国分寺大人倶楽部の稽古初日。
酒を飲んだ。
台本はない。書けてない。申し訳ない。


7月27日。
稽古二日目。
特に何も無い、普通の日だった。(台本も無い。)
特別なことといったら、朝までカラオケでミッシェルを歌ったことぐらい。
もちろん、天国のアベフトシのためだけに歌ったんだよ。
他に、特別な意味は無い。


7月29日。
稽古三日目。
台本はない。


7月31日。
台本を書かずに、遊びに出かける。
人と約束をしたら、2時間待たされる。
「約束を守ることは大事だ」と思った。
そういえば、去年の7月も同じことを思った気がするけど、なんでかは忘れた。


8月1日。
電車に乗っていた。
中央線の下り列車。
イヤホンでミッシェルガンエレファントを聴いていた。
(アベが成仏するまでは、ミッシェルしか聴かないと決めた。)

僕の左隣は、20代後半ぐらいの女性。
かわいくもないし、不細工でもない。
太ってないし、やせてもない。

僕の右隣は、よぼよぼのおばあちゃん。
演劇の制作さんが使うような、車輪が付いてて引っ張るやつを持っている。どうして演劇の制作さんは、おばあちゃんみたいな道具を使うのか。それとも、おばあちゃんが制作さんみたいな道具を使っているのか。
まあ、その件はどうでもいい。

東小金井あたりだっただろうか。

10代に見える男が乗ってきた。
ふらふらしながら僕のほうへ歩いてきたかと思うと、僕の左隣の女性の頭を叩いた。
知り合いなのかと思ったが、男の様子がおかしい。
「お前、殺してやる、ふざけんなよ、殺してやる」
そう言いながら、女性の頭をペシペシ叩いている。
同じ車両の人がみんなこっちを見ている。

僕は、
「これは様子がおかしいぞ」
と思ってイヤホンをはずした。
女の人が、
「やめてください。」
と言った。

男は一瞬僕を見て、すぐに目線を隣に移した。

標的を変えて、今度は右隣のおばあちゃんを叩いた。
さっきより強く叩いている。
男は、
「お前ら、殺してやるからな。」
と言った。
おばあちゃんは、
「痛い。」
と言った。

僕は、つい最近読み返したばかりの『ヒミズ』を思い出した。
そして一瞬のうちに、この男が包丁を振り回して、電車内が血まみれになる様子が頭に浮かんだ。
「あ、俺、死ぬかも。」
と、思った。
絶対こいつは凶器を持ってる。

次の瞬間、僕の斜め向かいの席に座っていたイケメンが、男の首をつかんだ。
イケメンが何を言ったかは、忘れた。
男は大声で、
「お前ら、全員殺してやるからな」
と叫び続けた。

武蔵小金井でイケメンと男は降りた。
と、思う。

僕はまたイヤホンを耳に付けて、両隣のレディー達に対する罪悪感を押し殺していた。
なんで罪悪感?
助けなかったから?
そうだ、どう考えても僕が助けるべき位置に座っていた。

僕は国分寺で降りて、情けない気持ちでいっぱいだった。

怖くて何もできなかったからじゃない。

僕はイケメンに対して、
「なんだよ、かっこつけやがって。」
キチガイ男に対しては、
「なんだ、刃物持って無いじゃん、つまんない。」
それから、
「これをネタに芝居の脚本書けないかしら。」
と、ほんの少し、ほんの少しだけ、心のどこかで思っていたんだ。

あーもう。

そんな自分が情けなくて情けなくて。

いやだ。

アーーーーーーーーあーーーーーーーあーーーーーーー







とりあえず、台本を書こう。







命は大切に。


ただそれだけのこと。



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