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カズヤくんの願い

  • 2015年09月18日(金) 23:56:25
  • 子育て
だいぶ時間が経ってしまいましたが、15 Minutes Made vol.13、無事に終わりました。
ありがとうございました。

『ブルーベリー』は、大切な人に大切だと伝えるための15分でした。
言葉じゃうまく言えないから、演劇で言いました。
言って良かったと思っています。

祭りが終わって何年も経った後、今のこの気持ちを、思い出せなくなってしまうのでしょうか。
僕は絶対に思い出したいわけです。
そして、それを生きていく糧にしたいわけです。

うん。
頑張ろう。



さて。
そんな15MMの期間中、ある一つの出会いがありました。

初日のステージを終え、僕が物販コーナーに立っていると、小学生ぐらいの男の子がじっとこちらを見つめていました。

「どうしたんだい、ボク。上演台本が欲しいのかい?一部300円だよ。」
「あ……ううん、違うんだ……あの……その……」
「……?どうしたい?」
「……な……なんでもないやいっっ!!」

少年は一目散に駆け出しました。
僕は、訳もわからぬまま少年を追いかけました。

10分ほど走ったでしょうか。
少年は街はずれにある総合病院へと入って行きました。

「な、なんだってあんな小さな子供が、こ、こんな夜に、びょ、病院なんかに……!?」

僕は心の中で思っていればいい事柄をいちいち口に出して言いながら、少年のあとをつけました。
すると少年は、「501」と書かれた病室へと入って行きました。

さすがに病室の中まで入るわけにはいきません。
仕方なく、ドアの前で聞き耳を立てることにしました。

声の感じから察するに、40代ぐらいの女性でしょうか。
それは廊下まで響き渡る大声でした。

「カズヤ!!勝手に病室を抜け出して、どこに行っていたのよ!?お母さん心配したじゃない!!
 ……え?……なんですって……大好きな河西裕介さんの演劇を観に行っていたですって!?
 もう!!ダメよ!!
 いくらあなたが、まだ治療法の確立していない難病で、来週その手術を受ける予定なのに、
 医師が『あの手術は成功率20%だ』と言っているのを偶然聞いてしまって、
 『ボク、どうせ助からないんだ!手術なんて受けない!』と言い出してるからって、
 だからって、 勝手に病室を抜け出したりしてはダメなのよ!!」

まるで僕が書く台詞のように自然でリアルなその言葉を聞き、僕は居ても立ってもいられなくなりました。
病室のドアを蹴破り、叫びました。

「カズヤくん!!」
「か…河西さん……!!どうしてここに!?」
「そんなことはどうだっていい。それよりカズヤくん、手術を受けるんだ。」
「……いやだ……」
「よし、じゃあ僕と約束をしないか?」
「約束?」
「ああ、約束さ。僕が15MMで優勝したら、カズヤくんは手術を受ける。どうだい?」
「……わかった。」
「よし。男と男の約束だ。」
「うん!!」

それからのステージはもう、死に物狂いで上演しました。
カズヤくんとの約束を果たすため、僕は戦いました。

他の劇団たちが、僕を妨害してきました。
ヒゲ顔の男が「んなわけあるかい!」と叫びながら暴力を振るってきたり、
演劇悪魔が黒魔術でカズヤくんの病状を悪化させたり、
僕の出番のあとに2劇団がコラボして「オカマネタかぶり」という荒業をしてきたり、
とにかくもう、強敵ぞろいでした。

特に「アナログスイッチ」のやり方は卑劣でした。
まさに極悪非道でした。

串カツ屋で待ち伏せて因縁をつける、
中華料理屋で待ち伏せて集団リンチ、
Straw&Berry上演中に突然袖幕を開ける、
など、数えきれないほどのラフプレーをしてきました。

それでも僕は戦いました。
カズヤくんとの約束。
男と男の約束。
それを守るため、戦い抜きました。

そして千秋楽。
打ち上げを途中で抜け、カズヤくんの病室へ行きました。

「河西さん!結果は……結果はどうだったの!?」
「……カズヤくん……」
「え……?」
「カズヤくん……すまない……そもそも15MMには、優勝とか無かったんだ……そういうシステムじゃないんだ……」
「……え……」
「すっかり忘れていたよ……カズヤくん……約束、守れなくてごめんな……」



それから一週間後。
カズヤくんは手術を受けずに、天国へと旅立ちました。

僕は最後の瞬間に立ち会いました。

「……カズヤくん……約束、守れなくて、ごめんな……」
「……河西さん……いいんだ。ただ、もう一回約束してくれないかな?」
「もう一回?」
「うん、今度は別の約束。」
「なんだい?」
「僕ね……昔から夢があるんだ。その夢を叶えて欲しいんだ……」
「ああ、叶える!叶えるとも!なんだい?言ってごらん!」
「僕ね……いつかワークショップを開催するのが夢なんだ……河西さん……僕の代わりに……開催して……よ……」
「ああ!開催するさ!開催するとも!」
「……ありがとう……できれば……時期は10/3(土)~7(水)で、参加費は3000円だといいな……」
「ああ!そうするよ!」
「……国分寺大人倶楽部と……Straw&Berryの……オーディションも……兼ねて欲しい……な……」
「ああ!兼ねるさ!兼ねるとも!」
「……応募締切は……9/26(土)で……」
「ああ!ただし各回6名に達し次第締め切る……だろ!?」
「うん……ご応募は……お早め……に……(ガクッ)」
「カ……カズヤくんーーーーーーー……!!!!!!!!!!!!!」



亡くなったカズヤくんのためにも、
みなさんワークショップに来てください。

河西裕介(国分寺大人倶楽部/Straw&Berry)ワークショップ詳細
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コメントを見る(2)

 by 23ミリの銃口から飛び出す弾
あんたのblogおもしれぇから、どんどん更新しろよ!楽しみにしてんよ!
 by 河西裕介
>23ミリの銃口から飛び出す弾さん
ありがとよ!どんどん更新してやんよ!

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